MITセミナー予定表 2007年度


連絡先:齊藤圭司(saitohあっと spin.phys.s.u-tokyo.ac.jp)、島田尚(shimada あっと ap.t.u-tokyo.ac.jp)
宮下研究室伊藤研究室(セミナー)|藤堂研究室羽田野研究室 (セミナー)
セミナーは原則として、水曜日13時ごろから行います。

これからのセミナー

日時 場所 講演者 講演題目
2008/02/21(木)
午後3時からいつもと曜日・時間が異なります
理学部1号館447号室 Swapan K Pati(JNCASR, Bangalore) Structure and Electronic properties of DNA base-pairs and Metal-Modified DNA
TBA 理学部1号館447号室 清水明(東大駒場) 現代的な測定理論の概要−FAQsへの答え

これまでのセミナー

日時 講演者 講演題目
4月10日 今後の打ち合わせ
4月17日 宮下精二 Particle trap by potential well --quantum dynamics of particle conveyance --
4月24日 羽田野直道 スピン軌道相互作用のある量子細線
5月9日 伊藤伸泰 線型非平衡統計力学の現状と展望
5月16日 藤堂眞治 長距離相互作用系のO(N)モンテカルロシミュレーション
5月30日 齊藤圭司 輸送と対称性
6月6日 Prof. Per Arne Rikvold
(Florida State University)
Dynamic Phase Transition in Kinetic Ising Models Driven by an Osillating Field:
New Experiments and Results on the Conjugate Field and
a Nonequilibrium Fluctuation-Dissipation Relation
6月13日 島田尚 微視的エネルギー流の分布について
6月27日 池上高志(東京大学教養学部物理教室) 自発運動の起源と進化
10月17日(水)午後1時より 波多野恭弘(東大地震研) 粉体のジャミング転移とレオロジー
10月24日(水)午後1時より 佐野雅己(東大理学部) 乱流間遷移におけるDirected Percolationユニバーサリティー
10月26日(金)午後3時より
Matthias Troyer (ETH Zurich) Adiabatic Quantum Simulation Using Ultracold Fermionic Atoms: d-wave RVB States and the Phase Diagram of the Fermionic Hubbard Model
10月31日(水)午後1時より 小松輝久(東大駒場) 非平衡定常状態における定常分布の新しい表現
11月19日(月)午後1時より Tomaz Prosen (University of Ljubljana,) Quantum chaos and many-body systems
11月28日(水)午後1時より 細谷暁夫(東工大) 量子最速曲線(Quantum Brachistochrone)
12月19日(水)午後1時より 有住なな(イリノイ大 コンピュータサイエンス専攻) Application of Geometric Integration in Molecular Simulation
12月20日(木)午後1時より 寺西慶哲 Collective Excitation of Molecule Induced by an Intense Laser Field
1月10日(木)午後1時より 田中篤司(首都大学東京) 行列のパラメーターへの周期的依存性は固有値にそのまま継承されるか?
2月6日(水)午後1時より Giulio Casati(Center for Nonlinear and Complex Systems, Universita’ dell’Insubria, Como, Italy) Classical and quantum chaos and understanding and control of heat flow

所属が書かれていない講演者は、宮下研、伊藤研、藤堂研の所属です。
過去のセミナー: 2006年度2005年度2004年度2003年度2002年度2001年度2000年度1999年度

第0回(今後の打ち合わせ)

日時:4月10日(火)午後3時より

場所:理学部1号館9階934号室

第1回

日時:4月17日(火)午後3時より

場所:理学部1号館9階934号室

講演者:宮下精二

講演タイトル:Particle trap by potential well --quantum dynamics of particle conveyance --

講演要旨:
粒子をポテンシャルの井戸で捕らえて移動させる方法は、 光ピンセットや、レーザー冷却粒子系の光格子、あるいは 半導体中での超音波干渉による電子トラップなど、いろいろなところで 用いられる。ポテンシャル井戸を移動させたとき、その変化に 粒子がどのように反応するか、また位置のエネルギーのことなる場所への 移動の際にどのような変化があるかなどを量子ダイナミックスの立場から調べる。

第2回

日時:4月24日(火)午後3時より

場所:理学部1号館9階934号室

講演者:羽田野直道

講演タイトル:スピン軌道相互作用のある量子細線

講演要旨:
伝導電子のスピン軌道相互作用は、電子のスピンを電気的に操作した り、電流を磁気的に操作するのに利用できることで注目されています。 特に最近はスピン軌道相互作用のある2次元系電子系でのスピンホール 効果やスピン蓄積などが盛んに議論されています。 ここではスピン軌道相互作用のある1次元電子系(量子細線)での物理 について最近の我々の研究を紹介します。 まず、スピン軌道相互作用が非可換ゲージ場の形をしていることを使っ て、「完全スピンフィルター」が構成できることを示します。 つまり、スピンの混ざった電流を入れると、片方のスピンしか入ってい ない電流が出てくるような干渉路を作れます。 次に、スピン軌道相互作用のある量子細線に電流を流すと、外部磁場と 垂直方向に磁化が出てくることを示します。 ただし、波数ゼロのところにできたエネルギーギャップにフェルミ面が あるときのみ磁化が発生します。

第3回

日時:5月9日(水)午後3時10分より

場所:理学部1号館233号室

講演者:伊藤伸泰

講演タイトル:線型非平衡統計力学の現状と展望

講演要旨:
熱平衡状態に対して大きな成功を収めている統計力学ではあるが、その目標は非平衡現象の解明である。 多様な現象を分子ほかの微視的な力学に基づいて記述することが、統計力学の19世紀後半の黎明期よりの 課題である。20世紀の初頭から中頃にかけて線型非平衡統計力学が線型非平衡熱力学と相補的に発展して いたが、現象論的な理論に留まっていた。その後も数多くの研究が続けられて来たが、近年ようやく線型 輸送現象と微視的な力学との関係が計算機シミュレーションにより確立された(下記文献参照)。その結果、 輸送係数と空間次元の関係、特に遅い巾緩和との関係が確認され、合わせてメソスケールでの輸送現象の 記述にも成功し、非線形非平衡現象への統計力学的シミュレーションの応用にも途が開かれた。

T. Shimada, T. Murakami, S. Yukawa, K. Saito and N. Ito, J. Phys. Soc. Jpn. vol.69 (2000) p.3150
T. Murakami, T. Shimada, S. Yukawa and N. Ito, J. Phys. Soc. Jpn. vol.72 (2003) p.1049
T. Ishiwata, T. Murakami, S. Yukawa and N. Ito, Intern. J. Modern. Phys. C vol.15 (2004) p.1413.
F. Ogushi, S. Yukawa and N. Ito, J. Phys. Soc. Jpn. vol.74 (2005) p.827.
F. Ogushi, S. Yukawa and N. Ito, J. Phys. Soc. Jpn. Vol.75 (2006) 073001.
F. Ogushi, N. Ito and B. Li, in preparation.
H. Shiba, S. Yukawa and N. Ito, J. Phys. Soc. Jpn. vol.75 (2006) 103001.
T. Yuge, A. Shimizu and N. Ito, J. Phys. Soc. Jpn. vol.74 (2005) p.1895.
A. Kamimura, S. Yukawa and N. Ito, J. Phys. Soc. Jpn. vol.75 (2006) 024005.
A. Kamimura, S. Yukawa and N. Ito, J. Phys. Soc. Jpn. vol.74 (2005) p.1071.

第4回

日時:5月16日(水)午後3時10分より

場所:理学部1号館233号室

講演者:藤堂眞治

講演タイトル:長距離相互作用系のO(N)モンテカルロシミュレーション

講演要旨:
磁気双極子相互作用, RKKY相互作用などの長距離相互作用を持つ系は, 短距離 相互作用のみをもつ系では見られない新奇な秩序状態, 新しいユニバーサリ ティークラスなど, 様々な興味深い現象を示す. しかしながら, 長距離相互作 用系の数値計算においては一般に系の体積の二乗に比例した計算時間が必要と なるため, 大規模系のシミュレーションは困難であった. 強磁性的な長距離相 互作用のみを持つスピン系のモンテカルロシミュレーションでは, Luijtenらに より, O(N log N)のクラスターアルゴリズムが提案されているが, 互いに競合 する相互作用が存在する場合には効率が極度に低下することが知られている. 今回我々は 1) 強磁性的な長距離相互作用のみを持つスピン系に対するO(N)の クラスターアルゴリズム, 2) 一般の長距離相互作用に対して有効なO(N)の局所 更新アルゴリズム, 二種類の新しいアルゴリズムを開発した. セミナーではア ルゴリズムの詳細について説明した後, 従来のアルゴリズムとの性能比較の結 果を紹介する.

第5回

日時:5月30日(水)午後3時より

場所:理学部1号館447号室 (いつもと場所が異なります)

講演者:齊藤圭司

講演タイトル:輸送と対称性

講演要旨:
輸送現象における対称性の考察を行う。最初は熱輸送において、量子化コンダクタンス が観測できるパラメータ領域での、熱流揺らぎの議論を通じて対称性の議論する。 その次にメゾスコピック系の電子輸送での、電流および熱流を生み出す母関数に関する 考察を行う。この一般論を通じて、観測可能な非自明な関係たちを導出する。

第6回

日時:6月6日(水)午後4時より(いつもと時間が異なります)

場所:理学部1号館447号室(いつもと場所が異なります)

講演者:Prof. Per Arne Rikvold (Florida State University)

講演タイトル:Dynamic Phase Transition in Kinetic Ising Models Driven by an Osillating Field:
New Experiments and Results on the Conjugate Field and a Nonequilibrium Fluctuation-Dissipation Relation.

講演要旨:
Kinetic Ising models driven by a temporally oscillating applied field undergo a nonequilibrium phase transition in the Ising universality class at a critical value of the ratio of the period of the applied field to the intrinsic time scale for magnetization switching in the Ising system. Following a short introduction to the phenomenon I discuss a recent experimental observation in [Co/Pt]3 multilayers, as well as kinetic Monte Carlo simulations that establish the field conjugate to the dynamic order parameter and demonstrate the existence of a nonequilibrium fluctuation-Dissipation relation in the critical region.

第7回

日時:6月13日(火)午後3時10分より

場所:理学部1号館4階447号室

講演者:島田尚

講演タイトル:微視的エネルギー流の分布について

講演要旨:
近年の力学系を用いた熱伝導現象の研究から、 系が充分に混合性を持つ場合でも 熱伝導率が熱力学極限で発散することが珍しくないことが明らかになってきた。 この異常性については、一般的には久保-Green の線型応答の式と 高密度流体とのアナロジーに基づく自己相関関数の長時間相関とで説明されている。 しかしながらこの描像の単純な適用にそぐわない例も知られており、 これらの結果は微視的立場からの理解が重要であることを示唆している。 このような問題意識の元、我々は 微視的なスケールで系の非平衡性や異常性を評価するための土台となるべき、 熱平衡状態でのエネルギー流の分布関数について考察した。 この結果、熱流の分布が Maxwell 分布から stretched exponential 型のテイル へのクロスオーバーの形を持つことを示した。 本発表ではこのことを格子系及びLJ粒子系等でのシミュレーション結果と合わせて議論する。

第8回

日時:6月27日(火)午後4時30分より (いつもと時間が異なります)

場所:工学部6号館大会議室(103号室)(いつもと場所が異なります)

講演者:池上高志(東京大学教養学部物理教室)

講演タイトル:自発運動の起源と進化

講演要旨:
生命とは何か?という問いに対して、原始的なセル単位の示す 自発運動を理論的および実験的に調べている。それを今回は紹介する。
まず実験に関しては、最近、ItalyのMartin Hanczycや東大の菅原研と脂肪酸を境界とする油の自発運動 の実験を行なった。具体的には、油成分は無水脂肪酸を使い、それをミセルの溶け込んだ水溶液中に 入れる実験を行ったところ、自発的な油滴の運動が観察された。この油滴は内部に対流構造を作り出し それによって油成分と水との反応を局在化することが、その自発運動の原因と思われる。 この系はそれと同時にケモタクシスに似た振る舞いを示すことも分かってきた。
理論に関しては、確率的なオートマトンモデルを用いて、化学反応が膜を作りながら動く モデルを構築した。この場合もケモタクシス的な行動が、膜の形に依存して出現することが 示された。
これらを通して「人工生命」の観点からみた生命の起源問題を議論する。

参考文献:
Hanczyc, M., Toyota,T., Ikegami, T., Packard, N. and Sugawara, T. " Chemistry at the oil-water interface: Self-propelled oil droplets" JACS, 2007 (in press).
Suzuki, K., Ikegami, T., Shapes and Self-movements in Autopoietic Cell Systems , Journal of Artificial Life, ( in press).

第9回

日時:10月17日(水)午後1時より

場所:理学部1号館447号室

講演者:波多野恭弘(東大地震研)

講演タイトル:粉体のジャミング転移とレオロジー

講演要旨:
ジャミング転移とは、粉体がある密度より上において 非ゼロの弾性定数を獲得する転移であり、 いわば粉体における液・固転移である。 ただし通常の液・固転移とは異なり、二次転移的な側面を強く有している。 (圧力は連続的に変化、動的不均一性の相関距離が転移点で発散、etc)。 ここではジャミング転移近傍にある高密度粉体のレオロジーについて、 臨界現象的なスケーリング則が成り立つことを紹介し、 粘性率に関する動的不均一性がその微視的背景にあることを示す。

第10回

日時:10月24日(水)午後1時より

場所:理学部1号館4階447号室

講演者:佐野雅己(東大院理)

講演タイトル:乱流間遷移におけるDirected Percolationユニバーサリティー

講演要旨:
Directed Percolation(DP)は、吸収状態へ遷移する系において普遍的に見られる 非平衡系に特有な相転移現象であるとともに、種々の浸透現象や病気の感染、 森林火災、層流乱流転移、同期現象、細胞内カルシウム波の伝播など様々な 自然現象のモデルと考えられてきた。 一方、これまで理論的・数値的には夥しい数の研究がなされているにもかかわら ず、実験系でDP相転移のユニバーサリティーが示された例は存在しなかった。 この研究では、液晶対流系という、従来の実験より格段に自由度が大きく長時間 測定可能な実験系を用い、さらにトポロジカルに異なる2つの乱流状態間の遷移 に着目することで初めてDP相転移の全ての臨界指数を高精度で求めることに 成功した。他の実験系における検証の可能性や、数理モデルとの関連についても 触れる予定である。

第11回

日時:10月26日(水)午後3時よりいつもと曜日・時間が異なります。

場所:工学部6号館3階セミナー室Aいつもと場所が異なります

講演者:Matthias Troyer (ETH Zurich)

講演タイトル:Adiabatic Quantum Simulation Using Ultracold Fermionic Atoms: d-wave RVB States and the Phase Diagram of the Fermionic Hubbard Model

講演要旨:
We propose a controlled route to obtaining the ground state properties of the two-dimensional fermionic Hubbard model in an adiabatic quantum simulation using ultracold fermionic atoms. We present a route for the controlled generation and measurement of superfluid d-wave resonating valence bond (RVB) states of fermionic atoms in 2D optical lattices. Starting from loading spatial and spin patterns of atoms in optical superlattices as pure quantum states from a Fermi gas, we adiabatically transform this state to an RVB state by a change of the lattice parameters. Results of exact time-dependent numerical studies for ladders systems are presented, suggesting generation of RVB states on a time scale smaller than typical experimental decoherence times.
Reference: S. Trebst, U. Schollwock, M. Troyer, and P. Zoller, Phys. Rev. Lett. 96, 250402 (2006).

第12回

日時:10月31日(水)午後1時より

場所:理学部1号館447号室

講演者:小松輝久(東大駒場)

講演タイトル:非平衡定常状態における定常分布の新しい表現

講演要旨:
熱流や外場によって駆動された非平衡定常状態における系の微視的状態の 定常分布について,最近,我々が得た結果を紹介します[1].この研究に よって得られた表式は,平衡系におけるボルツマン因子の非平衡定常状態 への拡張と見ることが出来ます.線形応答領域をはみ出した非平衡度の 2次まで正しく評価した結果は,過剰エントロピー生成の軌道アンサンブル によって表現されます.この表式では,従来,問題と見られていた 時間無限大で発散する定常的なエントロピー生成の寄与が,うまく キャンセルしており,理論的にも,原理的な測定の意味からも非常に 示唆的な結果であると考えています.講演の前半においては, 本研究に至るまでに行なった熱ラチェット系の方向選択の研究[2,3]に ついて紹介します.この研究では,具体的なモデルの解析を通じて, 過剰熱流の観測が方向選択の現象論構築に有益であることを見出します. この結果は過剰エントロピーによる定常分布表現へ向かう動機付けとなります.

[1] Komatsu, T.S. and Nakagawa, N.
arXiv:0708.3158 [cond-mat.stat-mech]
"An expression for stationary distribution in nonequilibrium steady state"

[2] Komatsu, T.S. and Nakagawa, N.
Phys. Rev. E v.73, 065107(R) (2006)
"Hidden heat transfer in equilibrium implies directed motion in nonequilibrium"

[3] Nakagawa, N. and Komatsu, T.S.
Europhys. Lett. v.75, pp.22-28 (2006)
"A heat pump at a molecular scale controlled by a mechanical force"

第13回

日時:11月19日(月)午後1時より いつもと曜日・時間が異なります

場所:理学部1号館4階447号室

講演者:Tomaz Prosen (University of Ljubljana,)

講演タイトル:Quantum chaos and many-body systems

講演要旨:

第14回

日時:11月28日(水)午後1時より

場所:理学部1号館4階447号室

講演者:細谷暁夫(東工大)

講演タイトル:量子最速曲線(Quantum Brachistochrone)

講演要旨:
与えられた始状態から終状態へ最短時間で遷移させる量子操作を見いだすことは, 量子計算, あるいは量子デバイスの設計などで応用上重要であるのみならず, それ自 体興味深い. 古典力学における最速降下線問題との類似で, 量子状態の状態変化の時間的最適化を変分問題 として定式化する. そこでは、量子状態のみならず、ハミルトニアンも変分変数として扱われる。 純粋状態の例として, 1ビットの簡単な場合を示す. 次に量子計算への応用を視野において, 与えられたユニタリ変換を最短時間で実行する問題を同様の方法で取り扱い, 2ビットのハイゼンベルクモデルで例示する. さらに、マスター方程式 に従う混合状態に拡張し、ユニタリー発展だけではなく測定あるいは環境系によるデコヒーレンスの効果 も取り入れた最適化を問題にする。また進行形の研究として、ある程度の誤りを許す最適化についても述べる。 この研究から量子空間における幾何学的描像の重要性が予感される.

第15回

日時:12月19日(水)午後1時より

場所:理学部1号館447号室

講演者:有住なな(イリノイ大 コンピュータサイエンス専攻)

講演タイトル:Application of Geometric Integration in Molecular Simulation

講演要旨:
Our group is working on applications for Molecular Simulation. In this seminer, I will talk about Molecular Dynamics using Geometric Integration. Consider a method that has Symplectic and Time Reversing Structure, then assuming ergodicity, it will produce better statistical mechanical averages. Using Splitting of the vector field, it will be shown how to construct geometric methods. To analyse the methods, we apply techniques from backward error analysis, since forward error analysis is not appropriate due to the chaotic nature of the system.

第16回

日時:12月20日(木)

場所:理学部1号館4階447号室

講演者:寺西慶哲

講演タイトル:Collective Excitation of Molecule Induced by an Intense Laser Field

講演要旨:
短パルス高強度レーザーを分子に照射した場合の分子の応答 については、理論実験共に様々な研究が活発に行われている。 しかしながら、多くの研究はイオン化とそれによって引き起こ される様々な過程(分子解離、高次高調波発生など)の議論で ある。  今回我々は、高強度レーザーによる分子の励起過程に着目して 計算を行い、”Collective Excitation”というあらたな現象 を見いだした。摂動領域では、遷移エネルギーと光子のエネル ギーが等しい共鳴付近で遷移が誘起されるために、特定の状態 への励起が選択的に起こる。ところが、我々の計算によると、 非摂動論的な強度では、殆ど全ての状態への遷移が一斉に起こる。 しかも、遷移確率は強度の冪乗として記述され、その冪は状態に よらず同じである。  本セミナーでは、この現象を裏付ける実験結果とともに、この 現象の背後にある物理について議論する予定である。

第17回

日時:1月10日(木)午後1時より (いつもと曜日が異なります)

場所:理学部1号館4階447号室

講演者:田中篤司(首都大学東京)

講演タイトル:行列のパラメーターへの周期的依存性は固有値にそのまま継承されるか?

講演要旨:
標題の問への答は否です。しかしながら、演者の知る限り、長らくの間、この 問の答は当然成立するとされ真剣な検討はなされませんでした。近年、全は一 般化された点状相互作用を持つハミルトニアンにおいて、この問への反例を提 示しました [T. Cheon, PLA 248, p.285 (1998)]: パラメーターの適当な周回 に対し、固有エネルギーは出発点に戻らず、別の準位のものに移動します。こ れを、全の (固有値についての) アンホロノミーと呼ぶことにします。全の例 は無限次元特有の病理である疑念を否定し得ないものでしたが、最近、我々は、 二行二列のユニタリ行列での例を見つけました [AT and M. Miyamoto, PRL 98, p.160407 (2007), M. Miyamoto and AT, PRA 76, p.042115 (2007)] 。本講演 では関連する量子論の文脈の説明を交じえつつこの結果とその一般化を紹介し、 時間が許せば、量子制御・量子計算への応用の可能性についても説明します。 本研究の大部分は宮本博士 (早大理工) との共同研究によるものです。

第18回

日時:TBA

場所:理学部1号館4階447号室

講演者:清水明(東大駒場)

講演タイトル:現代的な測定理論の概要−FAQsへの答え

講演要旨:
量子測定理論というと、昔は、実験では区別が付かないような事を議論す るような、形而上学・神学の趣もあった。その状況を大きく変えたのはR. Glauberの1963年の有名な論文であろう。そのノーベル賞受賞の対象になった 論文で彼は、被測定系に測定器の一部を加えた複合系をひとつの量子系とし て扱うことにより、(i) 被測定系に対して射影仮説を用いたのでは実験と合 わないケースがあること、(ii) 測定器に対して射影仮説を用いれば常に実験 と合う整合した理論ができること、(iii) 測定器の誤差なども量子論で矛盾 なく計算できること、などを示し、現代的な量子測定理論の扉を開いた。こ れにより、量子測定理論は、実験により厳しくその正誤が判定される自然科 学の理論へと大きく進化し、その後の大発展に繋がっているのである。特に 精密実験には、量子測定理論はなくてはならない存在になっている。  ところが、このような現代的な量子測定理論の姿を知る物理学者の割合は 少ないのが現状である。そこで本公演では、K. Koshino and A. Shimizu, Physics Reports 412 (2005) 191の第4節にある現代的な量子測定理論の reviewに基づいて、現代的な量子測定理論の概要を解説し、量子測定に関す るよくある質問(例えば、測定はいつ終わるのかとか、Heisenberg cutはど こにとればいいのか等)の答えをお話しする。また、標準的なコパンハーゲ ン解釈は、現代的な量子測定理論の教えに従って正しく使えば、今のところ 全く不都合はなく、別の様々な解釈は、自然科学としては単なる言い換えに 過ぎないことも指摘する。

第19回

日時:2月6日(水)午後1時より

場所:理学部1号館4階447号室

講演者:Giulio Casati(Center for Nonlinear and Complex Systems, Universita’ dell’Insubria, Como, Italy)

講演タイトル:Classical and quantum chaos and understanding and control of heat flow

講演要旨:
The understanding of the underlying dynamical mechanisms which determines the macroscopic laws of heat conduction is a long standing task of non-equilibrium statistical mechanics. A better understanding of such mechanism may also lead to potentially interesting applications based on the possibility to control the heat flow. Indeed, a model of thermal rectifier has been recently proposed in which heat can flow preferentially in one direction. Although this model is far away from a prototype realization, it is based on a mechanism of very general nature and, as such, is suitable of improvement and may eventually lead to real applications. Of particular interest is the problem, almost completely unexplored, of the derivation of Fourier law from quantum dynamics. To this end we discuss heat transport in a model of a quantum interacting spin chain and we provide clear numerical evidence that Fourier law sets in above the transition to quantum chaos. Finally we consider the transport of particles and heat in open classical ergodic billiards. We show that thermoelectric efficiency can approach the Carnot limit for sufficiently complex charge carrier molecules.

第20回

日時:2月21日(木)午後3時より(いつもと曜日・時間が異なります)

場所:理学部1号館4階447号室

講演者:Swapan K Pati (JNCASR,Bangalore)

講演タイトル:Structure and Electronic properties of DNA base-pairs and Metal-Modified DNA

講演要旨:
We have carried out theoretical studies on a variety of structural and electronic properties of DNA base-pairs and modified DNA. Specifically, I shall discuss the properties (a) when bases and base pairs are placed between metal electrodes (b) change in pH condition for possible electronic applications (c) alignment of magnetic ions along the helix and their interactions (d) metal single stranded DNA for creating low-dimensional half-metallic systems. Most of these studies are done using first-principle based density-functional theories.